生産設計(施工図)とは

建物をつくる過程は、大きくは設計段階と施工段階からなります。


建物が出来るまでの流れ

設計段階では、企画~基本~実施と段階を経て、建築主の要望や意向を設計者が建物の形にしていき、最終的に設計図が出来上がります。

施工段階では、設計図で意図された建物を作るための具体的な検討を行い、建物の「作り手」のノウハウを織り込んだ「ものづくり」のための図面を作成します。建築の職人さんはこの図面を使って建物を作っていきます。この「ものづくり」のための図面を作成する仕事を生産設計(施工図)と言います。

建物は生産設計(施工図)で作成された図面のとおりに出来上がっていくので、生産設計(施工図)の仕事には正確さが求められます。また、分かりやすい図面の作成が重要なので、表現力と建築の知識がフルに求められます。このため、生産設計(施工図)は建築主の要望が反映されているか、設計者の意図が織り込まれているか、といった観点で、プロジェクト関係者の間で何度もチェック・確認されます。このように「責任を持って図面を仕上げる」という精密な作業が必要とされるので、その分建物が完成したときには格別な充実感を味わうことができる「やりがい」のある仕事です。

主な施工図

仕上図

仕上図は、建物の内装仕上を表記した図面で、内装工事を行うときに使う図面です。
いろいろな種類の図面がありますが、平面詳細図と天井伏せ図を例にとって説明します。

  1. 平面詳細図
    各階の内装レイアウトがイメージできます。この中に、壁の種類、ドア等の建具の寸法、床や壁の仕上げ材の割り付け、天井の高さや床の段差位置など書き込み、使い勝手や見栄えなどを検討しながら作成します。
  2. 天井伏図
    天井面を表した図面です。天井に使う材料の割り付け、折上天井、天井点検口や照明等を書き込み、天井面がきれいに見えるように、壁際の見た目がきれいなように、等の検討を経て作成します。

躯体図

建物の構造体(躯体)を表記した図面で、躯体工事を行うときに使う図面です。
構造設計図をベースとし、杭・基礎から柱・梁・床・壁等の構造体を表す図面です。
細部の納まりを検討しながら施工に必要な情報を入れていきます。
S造・RC造等の構造種別でそれぞれ特色のある図面となります。

生産設計(施工図)のBIMモデルの例

施工STEP図

建物をつくっていく手順が複雑な場合には、施工計画を検討する上で、この施工STEP図が有効な手段です。
このSTEP図があれば、工事の手順をプロジェクトの関係者が共有し易く、より安全に、より合理的に建物をつくる手順に改善していくことができます。


  • STEP1

  • STEP2

  • STEP3

  • STEP4

BIM一貫作図

自社内に、設計部門と生産設計(施工図)部門の両方をもつ当社ならではの取組みとして基本設計をBIMで行い、実施設計と生産設計(施工図)を同時並行的にBIMで行う「BIM一貫作図」体制を整えています。